留学生対象のリンゴ摘果体験開催
岩手県内のJAで唯一輸出事業に取り組んでいるJAいわて中央は5月26日、留学生を対象としたリンゴの作業体験会を盛岡市黒川の北田健りんご部会長の園地で開きました。輸出の主品目であるリンゴへの理解を深めてもらおうと企画したもので、県内の大学に通う中国やフランスなど4か国の留学生や日本人の学生ら19人が参加しました。
体験会では北田部会長と横澤勤JA営農販売部長がリンゴ栽培の内容や輸出の取り組みを説明。今の時期に行う摘果作業について横澤部長は「5つの実から1つに絞ることで大きく甘いリンゴを作ることができる」と説明しました。参加者はリンゴの実を見極めながら最も大きい1個を残して他の実は手で取り除いていきました。
体験会では「サンふじ」「ジョナゴールド」「紅玉」のリンゴジュースの飲み比べや昨年秋に収穫し鮮度保持期間を延長するスマートフレッシュ処理を行ったリンゴの試食も行い、品種ごとの味や香りなどの違いを楽しみました。
参加したベトナムの女性は「摘果という作業は初めて知りました。実を取るのはもったいないと思いましたが、いいリンゴを作るために必要な事だと学びました。母国の友達にも教えたい」と笑顔を見せました。北田部会長は「こんに喜んでくれるとは思わなかった。おいしさは食べれば分かってもらえるが、生産者の思いは実際体験しないと分からないのでいい機会になったと思う。消費につなげていければ」と期待を込めます。
JAでは2009年からリンゴの輸出事業に取り組み、18年には二国間規制緩和後国内初となるカナダに向けた輸出をスタートするなど現在4カ国に輸出しています。昨年度は2815ケース(1ケース10㎏)を輸出し、今年度は5000ケースの輸出を目標に掲げています。浅沼清一JA組合長は「日本の消費人口が減っていく中で需要と供給バランスが崩れやすくなることが懸念される。値段が維持できるよう海外の販路は必要と考えている。今輸出している国で日本のリンゴが定着してほしい」と話しています。
JAでは秋にも留学生を対象としたリンゴの収穫体験を開く予定です。